第33回 核燃料取扱主任者試験 核燃料物質に関する法令

第33回 核燃料取扱主任者試験 核燃料物質に関する法令

第1問

次の文章は,「原子力基本法」,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」 (以下,本問において,「原子炉等規制法」という。)及び「原子力災害対策特別措置法」 並びにその関係する法令に関するものである。文章中の空欄に当てはまる適切な語句又は数値 (必要に応じて単位を付すこと。)を空欄の番号とともに記せ。

(1) 原子力基本法においては,原子力の研究,開発及び利用の基本方針として,平和の目的に限り, [①安全の確保]を旨として,民主的な運営の下に,[②自主的に]これを行うものとし,その成果を公開し, 進んで国際協力に資するものとすることが定められている。

(2) 加工事業者は,[③核燃料物質の取扱い]に関して[④保安の監督]を行わせるため,核燃料取扱主任者を選任しなければならない。 加工の事業において[③核燃料物質の取扱い]に従事する者は,核燃料取扱主任者が[③核燃料物質の取扱い]に関して保安のためにする [⑤指示]に従わなければならない。

(3) 管理区域においては,外部放射線に係る線量当量は[⑥1週間につき300 μSv]を超えるおそれがある。 また,管理区域においては,放射性物質によって汚染されたものの表面の汚染密度は, アルファ線を放出する放射性物質については[⑦0.4 Bq/cm2]を超えるおそれがあり, アルファ線を放出しない物質については[⑧4 Bq/cm2]を超えるおそれがある。

(4) 放射線業務従事者の線量当量限度は,実効線量当量について一年間に[⑨50 mSv]である。 緊急作業に係る線量当量限度は,実効線量当量について[⑩100 mSv]である。

(5) 加工事業者は,その事業を廃止したときには,[⑪主務大臣]にその旨を届け出るととともに, 核燃料物質を[⑫譲り渡し],核燃料物質による汚染を除去し,または核燃料物質若しくは核燃料物質によって汚染されたものを [⑬廃棄]等の措置を講じなければならない。

(6) 再処理事業者及び[⑭その従業者]は,保安規定を守らなければならない。 また,再処理事業者は,保安規定の遵守の状況について[⑪主務大臣]が毎年[⑮4]回行う検査を受けなければならない。

(7) 加工施設の施設定期自主検査においては,警報装置,非常用動力装置その他の非常用装置については, 当該装置の各部分ごとの当該動作のための性能検査を[⑯1月]ごとに, 当該装置全体の当該作動のための総合試験を[⑰1年]ごとに行うこととされている。

(8) 原子力事業者は,原子力災害の[⑱防止に関し]に万全の措置を講ずるとともに, 原子力災害(原子力災害が生ずる蓋然性を含む。)の[⑲拡大の防止]及び原子力災害の[⑳復旧]に関し, 誠意をもって必要な措置を講ずる責務を有する。

備考

  • 基本法第2条
  • 法律第22条の4
  • 線量告示第2条、第5条
  • 線量告示第6条、第8条
  • 法律第65条
  • 法律第50条
  • 法律第7条の4の2
  • 原災法第3条

第2問

次の文章は,「原子力基本法」,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」 (以下,本問において,「原子炉等規制法」という。)及び「原子力災害対策特別措置法」 並びにその関係する法令に関するものである。解答例にならって,その内容が正しいものに○印を, 誤っているものには×印を記し,誤っている理由を付すか,又は誤っている部分を訂正せよ。

(1) 加工施設に関して,人の障害(放射線障害以外の障害であって軽微なものを除く。)が発生し, または発生するおそれがあるとき等には,加工事業者は,その旨及びその状況を1週間以内に, それに対する処置を一月以内に経済産業大臣に報告しなければならないこととされている。 このため,加工施設で核燃料物質が臨界に達したときであっても,人の障害が発生し, または発生するおそれがなければ,報告は要しない。

解答例:×

訂正:その旨及び~されている。→ その旨直ちに、その状況及びそれに対する処置を10日以内に経済産業大臣に報告しなければならない。

訂正:核燃料物質が臨界に~報告を要しない。→ 核燃料物質が臨界に達し、又は達するおそれがあるときも同様である。

備考:加工規則第10条

(2) 加工事業者が原子炉等規制法又は同法に基づく命令の規定に違反する事実がある場合においては, 当該加工事業者の従業者は,その事実を国家公安委員長に告発することができることとされている。 本制度は,株式会社ジェー・シー・オーにおける臨界事故の教訓として加工事業者についてのみ設けられたものである。

解答例:×

訂正:当該加工事業者についてのみ設けられたものである。→ 製錬事業者、加工事業者、原子炉設置者、使用済燃料貯蔵事業者、再処理事業者、廃棄物事業者又使用者

備考:法律第66条の2

(3) 使用済燃料貯蔵事業の許可の基準は,以下の四点である。
一 使用済燃料貯蔵施設が平和の目的以外に利用されるおそれがないこと。
二 その許可をすることによって使用済燃料貯蔵の能力が著しく過大にならないこと。
三 その事業を適確に遂行するに足りる技術的能力及び経理的基礎があること。
四 使用済燃料貯蔵施設の位置,構造及び設備が使用済燃料による災害の防止上支障がないものであること。

解答例:×

訂正:使用済み燃料貯蔵の能力が著しく過大にならないこと。→ 原子力の開発及び利用の計画的な遂行に支障を及ぼすおそれがないこと。

備考:法律第43条の5

(4) 再処理施設からの放射性廃棄物の海洋放出に起因する線量当量限度は, 外部被ばく及び放射性物質がある空気を呼吸することによる被ばくがない場合には, 実効線量当量について三月間に二百五十マイクロシーベルトとされている。

解答例:○

備考:線量告示第9条

(5) 再処理施設における気体状の放射性廃棄物の廃棄については,排気施設によって排出する, 又は放射線障害防止の効果をもった廃気槽に保管廃棄するのいずれかの方法で廃棄することとされている。 その際,廃気槽で保管廃棄する場合には,崩壊熱等による過熱を考慮することは求められていないが, これは,気体状であり密度が低いためである。 一方,加工施設における気体状の放射性廃棄物の廃棄については,排気施設によって排出することのみが, その廃棄の方法とされているが,これは,その発生量が少なく廃気槽で保管廃棄する必要性がないためである。

解答例:×

訂正:崩壊熱等による~低いためである。→ 当該保管廃棄された放射性廃棄物の崩壊熱等により著しい加熱が生じるおそれがあるときは、冷却について必要な措置をとること。 備考:再処理規則第16条

訂正:一方、加工施設における~必要性がないためである。→ 加工施設も同様である。 備考:法律第7条の8

(6) 加工事業に係る施設定期検査において,性能を検査される施設は,加工施設のうち, 加工設備本体,貯蔵施設及び廃棄施設並びに加工設備の附属施設(核燃料の検査設備及び計量設備並びに主要な実験設備)である。

解答例:×

訂正:(核燃料の検査設備及び計量設備並びに主要な実験設備)→ (非常用設備、核燃料物質の検査設備及び計量設備、主要な実験設備)

備考:加工規則第3条の15

(7) 再処理事業に係る記録に関して,保安規定に定める保安上特に管理を必要とする設備における温度,圧力 及び流量は,連続して記録し,1年間保存しておかなければならない。

解答例:○

備考:再処理規則第8条

(8) 再処理施設の使用前検査及び施設定期検査に係る技術基準には,製品に関して, 製品中の不純物の含有率及び製品の回収率に係るものが含まれているが, 加工施設の使用前検査及び施設定期検査に係る技術基準においても,製品に関して, 製品中の不純物の含有率に係るものが含まれている。

解答例:×

訂正:加工施設の使用前検査~含有率に係るものが含まれている。→ 加工施設の使用前検査及び施設検査に係る技術基準については含まれていない。

備考:加工規則第3条の6の2

(9) 再処理施設の設計及び工事方法の技術基準に関する経済産業省令では,臨界警報装置の設置 その他の臨界事故の発生を想定した適切な措置が講じられているものでなければならないとされているが, 加工施設の設計及び工事方法の技術基準に関する経済産業省令では, そのような臨界事故の発生を想定した措置を講ずることは求められていない。

解答例:×

訂正:臨界警報装置の設置~されているが、→ 核燃料物質が臨界に達することを防ぐ能力及び使用済燃料を限定された区域に閉じ込める能力が申請書等及びその添付書類に記載した能力を満足する者であること。 備考:再処理規則6条の2

訂正:加工施設の設計及び~求められていない。→ 加工施設も同様である。 備考:加工規則第3条6の2

(10) 再処理事業者の保安規定において定めることとされている保安教育の内容に関することは,次の5項目である。
一 関係法令及び保安規定に関すること
二 再処理施設の位置,構造及び設備に関すること
三 放射線管理に関すること
四 核燃料物質の取扱に関すること
五 非常の場合に採るべき措置に関すること

解答例:×

訂正:二 再処理施設の位置、構造及び設備に関すること→ 二 再処理施設の構造、性能及び操作に関すること

訂正:四 核燃料物質の取扱に関すること→ 四 核燃料物質及び核燃料物質によって汚染された物の取扱に関すること

備考:再処理規則第7条

第3問

(1) 再処理施設の設計及び工事方法の技術基準に関する経済産業省令に規定されている 火災等による損傷の防止に関する措置のうち3つを記せ。

解答例

再処理設計工事総理府令第4条(火災等による損傷の防止)参照(1号から12号のうち、3つ記載する。)

(火災等による損傷の防止)
第四条 安全機能を有する施設が火災又は爆発の影響を受けることにより再処理施設の安全性に著しい支障が生じるおそれがある場合は、消火設備及び警報設備(警報設備にあつては自動火災報知設備、漏電火災警報器その他の火災の発生を自動的に検知し、警報を発する設備に限る。以下同じ。)を施設しなければならない。
2 前項の消火設備及び警報設備は、その故障、損壊又は異常な作動により安全上重要な施設の安全機能に著しい支障を及ぼすおそれがないものでなければならない。
3 安全機能を有する施設であつて、火災又は爆発により損傷を受けるおそれがあるものについては、可能な限り不燃性又は難燃性の材料を使用するとともに、必要に応じて防火壁の設置その他の適切な防護措置を講じなければならない。
4 有機溶媒その他の可燃性の液体(以下この条において「有機溶媒等」という。)を取り扱う設備は、有機溶媒等の温度をその引火点以下に維持すること、不活性ガス雰囲気で有機溶媒等を取り扱うことその他の火災及び爆発の発生を防止するための措置が講じられているものでなければならない。
5 有機溶媒等を取り扱う設備であつて、静電気により着火するおそれがあるものは、適切に接地しなければならない。
6 有機溶媒等を取り扱う設備をその内部に設置するセル、グローブボックス及び室のうち、当該設備から有機溶媒等が漏えいした場合において爆発の危険性があるものには、換気その他の爆発を防止するための適切な措置を講じなければならない。
7 硝酸を含む溶液を内包する蒸発缶のうち、リン酸トリブチルその他の硝酸と反応するおそれがある有機溶媒(爆発の危険性がないものを除く。次項において「リン酸トリブチル等」という。)が混入するおそれがあるものは、当該設備の熱的制限値を超えて加熱されるおそれがないものでなければならない。
8 再処理施設には、前項の蒸発缶に供給する溶液中のリン酸トリブチル等を十分に除去し得る設備を施設しなければならない。
9 水素を取り扱う設備(爆発の危険性がないものを除く。)は、適切に接地しなければならない。
10 水素の発生のおそれがある設備は、発生した水素が滞留しない構造としなければならない。
11 水素を取り扱い、又は水素の発生のおそれがある設備(爆発の危険性がないものを除く。)をその内部に設置するセル、グローブボックス及び室は、当該設備から水素が漏えいした場合においてもそれが滞留しない構造とすることその他の爆発を防止するための適切な措置を講じなければならない。
12 ジルコニウム金属粉末その他の著しく酸化しやすい固体廃棄物を保管廃棄する設備は、水中における保管廃棄その他の火災及び爆発のおそれがない保管廃棄をし得る構造としなければならない。

(2) 原子力災害対策特別措置法第10条の規定に基づいて原子力防災管理者が主務大臣等に通報すべき事象の中には, 施設の特性ごとに原子力緊急事態に至る可能性のある事象として定められているものがある。 同事象のうち,特に再処理施設に係るものとして定められている事象3つを記せ。

解答例

原災法施行令第4条(通報すべき事象)参照(1号から6号のうち、3つ記載する。)

(通報すべき事象)
第四条 法第十条第一項の政令で定める基準は、一時間当たり五マイクロシーベルト放射線量とする。
2 法第十条第一項の規定による放射線量の検出は、法第十一条第一項の規定により設置された放射線測定設備の一又は二以上について、それぞれ単位時間(二分以内のものに限る。)ごとのガンマ線放射線量を測定し一時間当たりの数値に換算して得た数値が、前項の放射線量以上のものとなっているかどうかを点検することにより行うものとする。ただし、当該数値が落雷の時に検出された場合その他原子力規制委員会規則で定める場合は、当該数値は検出されなかったものとみなす。
3 前項の定めるところにより検出された放射線量が法第十一条第一項の規定により設置された放射線測定設備の全てについて第一項の放射線量を下回っている場合において、当該放射線測定設備の一又は二以上についての数値が一時間当たり一マイクロシーベルト以上であるときは、法第十条第一項の規定による放射線量の検出は、前項の規定にかかわらず、同項の定めるところにより検出された当該各放射線測定設備における放射線量と原子炉の運転等のための施設の周辺において原子力規制委員会規則で定めるところにより測定した中性子線の放射線量とを合計することにより行うものとする。
4 法第十条第一項の政令で定める事象は、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
  一 第一項に規定する基準以上の放射線量が第二項又は前項の定めるところにより検出されたこと。
  二 当該原子力事業所における原子炉の運転等のための施設の排気筒、排水口その他これらに類する場所において、当該原子力事業所の区域の境界付近に達した場合におけるその放射能水準が第一項に規定する放射線量に相当するものとして原子力規制委員会規則で定める基準以上の放射性物質原子力規制委員会規則で定めるところにより検出されたこと。
  三 当該原子力事業所の区域内の場所のうち原子炉の運転等のための施設の内部に設定された管理区域(その内部において業務に従事する者の被ばく放射線量の管理を行うべき区域として原子力規制委員会規則で定める区域をいう。)外の場所(前号に規定する場所を除く。)において、次に掲げる放射線量又は放射性物質原子力規制委員会規則で定めるところにより検出されたこと。
    イ 一時間当たり五十マイクロシーベルト以上の放射線
    ロ 当該場所におけるその放射能水準が一時間当たり五マイクロシーベルト放射線量に相当するものとして原子力規制委員会規則で定める基準以上の放射性物質
四 事業所外運搬に使用する容器から一メートル離れた場所において、一時間当たり百マイクロシーベルト以上の放射線量が原子力規制委員会規則・国土交通省令で定めるところにより検出されたこと。
五 前各号に掲げるもののほか、実用発電用原子炉(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第四十三条の四第一項に規定する実用発電用原子炉をいう。第六条第四項第四号において同じ。)の運転中に非常用炉心冷却装置の作動を必要とする原子炉冷却材の漏えいが発生したことその他の原子炉の運転等のための施設又は事業所外運搬に使用する容器の特性ごとに原子力緊急事態に至る可能性のある事象として原子力規制委員会規則(事業所外運搬に係る事象にあっては、原子力規制委員会規則・国土交通省令)で定めるもの
六 前各号に掲げるもののほか、第六条第四項第三号又は第四号に掲げる事象

第4問

核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(以下「原子炉等規制法」という。)に基づく廃棄の事業等に関して,次の問に答えよ。

(1) 原子炉設置者が原子炉施設において生じた放射性廃棄物を,廃棄物埋設事業者が設けた廃棄物埋設地に埋設しようとする場合, 原子炉設置者と廃棄物埋設事業者との関係,また,採るべき措置及び手続きについて簡潔に述べよ。

解答例

放射性廃棄物の埋設処分に当たっては、原子炉設置者と廃棄物埋設事業者とは、炉規法上は独立した関係にある。 なお民法上は、廃棄物埋設処分に関する委託関係にある。 採るべき手続きとしては、外廃棄規則第2条第1項2号の規定により、原子炉設置者は、 埋設処分しようとする放射性廃棄物に関する記録の写しを交付しなければならない。 また、原子炉設置者は、埋設規則第8条に定められた廃棄物等の技術上の基準を満足するように、 埋設処分しようとする放射性廃棄物を処理する必要がある。

(2) 核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の廃棄物埋設の事業に関する規則(以下「埋設規則」という。) 及び核燃料物質又は核燃料物質によって汚染された物の廃棄物管理の事業に関する規則(以下「管理規則」という。) に規定されている保安規定に定めるべき事項について,両規則において共通でない事項がある。 その事項を1つずつ挙げ特徴を簡潔に述べよ。

共通でない事項 埋設規則規則第20条 管理規則規則第34条
1 保安上特に管理を必要とする設備の操作に関すること。
2 埋設保全区域に関すること。
3 廃棄物管理施設の定期自主検査に関すること。
4 放射能の減衰に応じた廃棄物埋設についての保安のために講ずべき措置に関すること。

(3) 次の文章は,原子炉等規制法及びその関連する法令において定められている廃棄の事業に関するものである。 その内容が正しいものには○印を,誤っているものには×印を番号とともに記せ。 また,誤っているものについては,その理由を付すか,又は誤っている部分を訂正せよ。

① 廃棄物埋設事業者が,毎月1回以上,廃棄物埋設施設の保全に従事する者に廃棄物埋設施設についての巡視及び点検を行わせた。 ② 廃棄物管理事業者が,5テラベクレルの放射性廃棄物の廃棄物管理施設の工事を行い使用した。 ③ 廃棄物埋設事業者から廃棄物埋設地を譲り受けようとする者は,経済産業大臣に届け出ればよい。 ④ 原子炉設置者が輸入した放射性廃棄物を,廃棄物管理事業者が設置した廃棄物管理設備に廃棄する際に,法第58条の2に定める主務大臣の廃棄に関する確認を受けなかった。 ⑤ 廃棄の事業を行おうとする者が廃棄物埋設及び廃棄物管理についてそれぞれ許可を受けた場合には,廃棄事業者として1つの保安規定を定めればよい。

解答例

① × 訂正:毎月1回以上→毎週1回以上 備考:埋設規則第16条

② × 理由:3.7テラベクレル以上の放射性廃棄物を取り扱う施設は特定廃棄物管理施設となり、経済産業大臣の認可を受けなければならない。 備考:政令第13条の12、炉規法第51条の7

③ × (特に定められてはいない)

④ ○ 備考:炉規法律第58条の2

⑤ × 訂正:廃棄事業者として1つの保安規定を定めればよい。→ 廃棄物管理事業者、廃棄物埋設事業者はそれぞれ保安規定を定めなければならない。 備考:埋設規則第20条、管理規則第34条

第5問

核燃料物質又は核燃料物質によって汚染されたもの(以下,本問において「核燃料物質等」という。) を事業所の外で運搬する場合,「核原料物質,核燃料物質及び原子炉等の規制に関する法律」及び 「原子力災害対策特別措置法」に関して,次の空欄の部分に入る適切な数値又は語句を番号とともに記せ。

(1) 核燃料物質等は,その区分に応じ,それぞれ次の種類の輸送物として運搬しなければならない。

(イ)危険性が極めて少ない核燃料物質等として主務大臣が定めるもの──[①L型]輸送物
(ロ)主務大臣が定める量を超えない量の放射能を有する核燃料物質等──[②A型]輸送物
(ハ)主務大臣が定める量を超える量の放射能を有する核燃料物質等──[③BM型]輸送物又は[④BU型]輸送物

ただし,これらの規定にかかわらず,放射能濃度が低い核燃料物質等であって 危険性が少ないものとして主務大臣が定めるもの([⑤低比放射性物質]という。)及び 核燃料物質等により表面が汚染されたものであって危険性が少ないもの([⑥表面汚染物]という。)は, 主務大臣の定める区分に応じ,IP1,IP2,IP3型輸送物として運搬することができる。

また,ウラン233, 235, プルトニウム238, 239, 241を1又は2以上含む核燃料物質を運搬する場合は, [⑦核燃料]輸送物の技術上の基準に適合しなければならない。

(2) 輸送指数とは,当該輸送物の表面から1 mの位置における最大線量当量率をミリシーベルト毎時単位で表した値に, [⑧]を乗じた数値とする。 ただし,核分裂性輸送物にあっては,当該値と当該核分裂性輸送物の[⑨輸送制限個数]で50を除して得た値のうち, いずれか大きい値とする。 専用積載で運搬する場合を除き,1の車両に積載する輸送物,オーバーパック及び輸送物を収納したコンテナの輸送指数の合計は50を超えてはならない。

(3) 核燃料物質を車両に積載した状態における線量当量率は,車両の表面では[⑩2]ミリシーベルト毎時を超えず, 車両の前面,後面及び両側面から1メートル離れた位置では[⑪100マイクロシーベルト毎時を超えず, 車両による運搬に従事するものが通常乗車する場所では[⑫20マイクロシーベルト毎時を超えてはならないこととされている。

(4) 防護対象特定核燃料物質を収納された輸送物を運搬する場合には,[⑬責任者]及び[⑭見張人]を配置し, 保安及び防護のために必要な措置を講じさせなければならない。

(5) 「核原料物質,核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律」第59条の2第5項の規定による核燃料物質等の運搬の届出をして, 運搬証明書の交付を受けようとするものは,運搬届出書を当該運搬の経路である区域を管轄する[⑮都道府県公安委員会]に提出しなければならない。 [⑮都道府県公安委員会]は,運搬の届出があった場合において,運搬の経路,[⑯運搬の日時]その他内閣府令で定める事項について, 必要な[⑰指示]をすることができる。

(6) 事業所外運搬において,以下の事象が発生した場合は,原子力防災管理者は, 主務大臣に原子力災害対策特別措置法第10条に基づく通報を行わなければならない。

  1. 輸送容器から1 m離れた場所において,1時間当たり[⑱100マイクロシーベルト以上の放射線量が検出された場合。

ii. 火災,爆発その他これらに類する事象の発生の際に,当該事象に起因して, 放射性物質が[⑲漏えい]すること,または,当該[⑲漏えい]の蓋然性が高い状態にあること。

同法第15条により,内閣総理大臣は,次の場合,原子力緊急事態宣言を行う。

  1. 輸送容器から1 m離れた場所において,1時間当たり[⑳10]ミリシーベルト以上の放射線量が検出された場合。

ii. 主務省令で定められた量以上の放射性物質が[⑲漏えい]すること,または,当該[⑲漏えい]の蓋然性が高い状態にあること。

備考

  • 外運搬規則第3条
  • 外運搬規則第11条
  • 車両運搬規則第8条
  • 車両運搬規則第11条
  • 車両運搬規則第17条2
  • 法律第59条
  • 原災施行規則第4条
  • 原災施行規則第21条
  • 原災施行規則第6条

出典

谷内 茂康; 佐藤 忠; 須賀 新一; 小室 雄一; 内田 正明; 中島 邦久; 中村 仁一; 雨澤 博男; 大村 英昭; 湊 和生; 武田 常夫; 櫛田 浩平; 傍島 眞 核燃料取扱主任者試験問題・解答例集,1999~2003年, JAERI-Review 2003-025,https://doi.org/10.11484/jaeri-review-2003-025